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今回は配当株の基本、「DOE」についてです。
高配当株を探していると、
企業の配当方針で「DOE4%を目安とする」
といった表現を見かけることがあります。
「4%の配当がもらえるということ?」
と思うかもしれませんが、DOEと配当利回りは異なる指標です。
配当性向が「会社が稼いだ利益」を基準にするのに対し、DOEは「株主の出資や、これまでに蓄積した利益などからなる株主資本」を基準に、配当の水準を示します。
では、DOEを採用している会社なら、業績が悪くなっても配当は減らないのでしょうか?
実は、必ずしもそうとは限りません。
配当の安定につながる面はありますが、減配の可能性がなくなるわけではありません。
この記事では、
DOEの基本的な意味や計算方法、配当性向との違いを解説するとともに、高配当株を選ぶときに知っておきたいメリットと注意点を紹介します。
DOEとは?
DOEとは、
会社の株主資本に対して、どれくらいの割合を年間の配当として株主に還元しているか
を示す指標です。
「株主資本配当率」とも呼ばれます。
株主資本とは、
株主が出資したお金や、会社がこれまでに稼いで蓄積した利益などです。会社が事業を続けるための資金の土台と考えると、イメージしやすいでしょう。
例えば、DOEが4%であれば、
株主資本の4%に相当する金額を、年間の配当として株主に還元していることになります。
DOEの計算方法
DOEは、基本的に以下の計算式で求められます。
DOE(%) = 年間配当総額÷株主資本×100
つまり、年間配当総額をDOEから計算するには
年間配当総額 = 株主資本×DOE(%)÷100
となります。
例えば、株主資本が1,000億円で、DOEが4%だったとします。この場合
1,000億円×4%÷100 = 40億円
となり、年間配当総額は40億円です。

※企業によって、計算に用いる資本の範囲や、期末の値・期首と期末の平均値などの扱いが異なるため、各社の説明も確認しましょう。
DOEと配当利回りは異なる
「DOE4%」と聞くと、
投資した金額に対して4%の配当を受け取れるように思うかもしれません。
しかし、DOEは会社の株主資本を基準にした指標です。
一方、配当利回りは、株価に対する1株当たり年間配当金の割合を示します。
そのため、
DOEが4%でも、配当利回りが4%になるとは限りません。
DOEは企業の配当水準や配当方針を知るための指標、
配当利回りは購入する株価に対してどれくらいの配当を受け取れるかを知るために使う指標です。
配当性向との違い
DOEと配当性向の違いは、
配当の割合を計算するときに、何を基準にするかです。
配当性向は
・配当性向(%) = 年間配当総額÷当期純利益×100
「その年度に会社が稼いだ利益」が基準です。この式を組み替えて
・年間配当総額 = 当期純利益×配当性向(%)÷100
となります。
DOEは
・DOE(%) = 年間配当総額÷株主資本×100
「株主の出資や、これまでに蓄積した利益などからなる株主資本」が基準です。
・年間配当総額 = 株主資本×DOE(%)÷100
とも表現できます。
例えば、
当期純利益が100億円、株主資本が1,000億円の会社
を考えてみましょう。
「配当性向40%」なら、
配当総額は100億円×40%=40億円です。
「DOE4%」でも、
配当総額は1,000億円×4%=40億円となります。
では、
翌年度の利益が50億円に減少した場合はどうでしょうか?
配当性向40%を維持する場合、
配当総額は20億円に減ります。
一方、
株主資本が1,000億円のままなら、
DOE4%を維持する場合の配当総額は40億円です。

このように、
DOEを基準にした配当方針は、
短期的な利益の変動に配当が左右されにくい
という特徴があります。
ただし、この例では株主資本が変わらないと仮定しています。
実際には株主資本も変動するため、DOEを採用しているからといって、必ず同じ配当が続くわけではありません。
DOEを採用するメリットと注意点
DOEを基準にした配当方針には、
配当の安定性を高めるメリットがあります。
ただし、DOEを採用していれば必ず安心というわけではありません。
高配当株を選ぶときは、その特徴と注意点を合わせて理解しておきましょう。

一時的な減益でも配当を維持しやすい
DOEを採用するメリットは、
短期的な利益の変動に配当が左右されにくいことです。
配当性向を一定にする方針では、
利益が減ると、それに合わせて配当も減ることになります。
一方、DOEの基準となる株主資本は、
一般に年間の利益より変動が小さいため、一時的に利益が落ち込んでも配当を維持しやすくなります。
長期的に配当を受け取りたい投資家にとって、配当の見通しを立てやすい点は魅力です。
株主資本の成長が
増配につながる可能性がある
会社が利益を上げ、その一部を社内に蓄積していくと、
株主資本は増加していきます。
例えば、DOE4%を維持する場合、
株主資本が1,000億円なら配当総額は40億円ですが、
株主資本が1,100億円に増えれば配当総額も44億円になります。
このように、同じDOEでも、株主資本が増えれば配当総額も増えることになります。株式数が変わらなければ、1株当たりの配当金の増加にもつながります。
DOEを採用していても減配の可能性はある
ただし、DOEは配当を保証するものではありません。
赤字が続くなどして株主資本が減少すれば、同じDOEでも配当総額は減ります。また、企業がDOEの目標水準を引き下げたり、配当方針そのものを変更したりする可能性もあります。
さらに、利益が落ち込んでいるのに配当を維持すると、配当性向が上昇し、その年度の利益を上回る配当になることもあります。
高配当株を選ぶ際には、DOEの数字だけでなく、
その配当を支える利益やキャッシュフローがあるかを確認することが大切です。
「DOEを採用しているから安心」と考えるのではなく、業績・財務状況・配当方針を合わせて見ながら、配当を長期的に維持できるのかを判断しましょう。
まとめ ~ DOEとは ~
DOEは、
会社の株主資本に対して、どれくらいを年間の配当として株主に還元しているかを示す指標です。
配当性向が「その年度の利益」を基準にするのに対し、
DOEは「株主資本」を基準にするため、
短期的な利益の変動に配当が左右されにくい特徴があります。また、株主資本の成長が増配につながる可能性もあります。
ただし、
DOEを採用しているからといって、減配しないわけではありません。
株主資本の減少や配当方針の変更によって、配当が減る可能性もあります。
高配当株投資では、DOEだけで判断するのではなく、業績・財務状況・キャッシュフローも合わせて確認することが大切です。
「配当が安定しやすい仕組みがあるか」
と「その配当を支える稼ぐ力があるか」。
この両方を意識しながら、長く配当を受け取れる銘柄を選んでいきましょう。






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